Cryptocurrency Research Lab.

Cryptocurrency関連技術についての調査・研究

【Flare Networks】Coston Testnet ①FXRP送金

前回、『【XRP】Flare Networks Sparkトークン』でSparkトークンを受け取るための方法について解説しました。

Flare Networks上にはSparkトークンのほかに、XRPの価値にペッグされたFXRPトークンが用意され、XRPのスマートコントラクト用プラットフォームとして利用されることが期待されているとのことです。

2020年8月時点でFlare Networksはまだ本番稼働していませんが、2020年5月に『Coston』と呼ばれるテストネットが立ち上がっています。

flare.ghost.io

いったい何ができて、どのように使えるのかという理解のため、以下の内容を参考に少し触ってみることにしました。

1. テスト用XRPの入手

まずはテスト用のXRPを入手します。
テスト用ですので資産としての価値はありませんが、 以下にアクセスして、テスト用1,000 XRPを取得します。 xrpl.org

[Generate Testnet credentials]ボタンをクリックすると、XRPアドレスとシークレットが表示され、テスト用1,000 XRPを貰うことができます。 f:id:halifax:20200826004531p:plain

2. テスト用FXRPへの交換

Coston Testnet上で動作させるためのFXRPを入手します。

$ git clone https://github.com/flare-eng/coston
$ cd coston
$ yarn
$ node faucet.js

faucet.jsを実行すると、XRPアドレスとシークレットを訊いてきますので、 「1. テスト用XRPの入手」で表示された値を入力します。

Coston Testnet Faucet

XRPL Testnet connected.
Generate XRPL Testnet credentials at:
https://xrpl.org/xrp-testnet-faucet.html

XRPL Testnet Address: ※rからはじまるXRPアドレスを入力
XRPL Testnet Secret: ※sからはじまるシークレットを入力

Coston Network credentials:
Address: 0x・・・・
Secret: 0x・・・・
Saving credentials to file.
 ︙

正常終了すると、costonAccount.jsonというファイルが生成され、 Coston Testnet上で利用できるEthereumと同じ形式のアドレスと秘密鍵が得られます。

3. 残高の確認

Ethereumと同じ形式のアドレスであることからも推測できるように、 Ethereum向けブラウザーウォレット『MataMask』や、Brave Browserの『Crypto Wallets』で接続先ネットワークを『Main Ethereum Network』からCoston Testnetに切り替えることによって、残高確認やCoston Testnet上の別アドレスへのFXRPを送ることが可能です。

https://github.com/flare-eng/coston#xrp-on-metamaskを参考にCoston Testnetを追加します。

f:id:halifax:20200826012537p:plain

項目
Network Name Coston Test Network (任意)
New RPC URL http://coston.flare.network:9650/ext/bc/C/rpc
Symbol FXRP

costonAccount.jsonに記載されているaddressとprivateKeyをインポートして、 追加したネットワークに切り替えると、残高が反映されていることが確認できます。

f:id:halifax:20200826013451p:plain

アイコンはEthereumですが、500 FXRPが入っていることが確認できます。

4. 別ウォレットへの送金

ウォレットの送金機能を使って、別アドレスへ送ることができます。
試しに 300 FXRPを別のウォレットに送ってみましょう。

f:id:halifax:20200826013945p:plain

以下の通り、ちゃんと受け取ることができました。

f:id:halifax:20200826014024p:plain

感想

Flare Network向けウォレットをはじめ各種ツールは今後出てくるのかもしれませんが、
Coston Testnetにおいてはネットワークを切り替えることで、 既存のツールを利用できそうなことが可能ということが分かりました。 Flare Networks上でEVMが動作するということなので、スマートコントラクトも同じような方法でデプロイできるのかもしれません。

まだ本番稼働していない状況なので何とも言えませんが、今後、Flare Networksが普及していくのかどうか、その動向は見守っていきたいと思い思います。